東京オリンピック・パラリンピック2020で使用される無線機では、大会専用に割り当てられた周波数があります。大会組織委員会が公表する周波数管理計画によれば、VHFからUHFまで、様々な用途で使用される計画であることがわかります。


○放送事業者向けトークバック
トークバックは、主に放送事業者に利用される。具体的には、プロデューサーから、カメラクルー、リポーター、プレゼンター、音声、照明、技術担当者等のプロダクションチームへの通信を目的とする。無線局免許が必要なトークバックでは、下記の割り当て方針が示されている。
Talkback
○業務用無線(PMR)
業務用無線(PMR: Personal Mobile Radio)は、競技の実施、セレモニーの運営のほか、放送中継、報道取材等に利用する移動通信手段として主に音声通信で使われる(トークバックを除いてプレストーク式で行われるものを想定)ことが示されている。

「混信の影響をできるだけ避け、周波数の割当てを容易にするためにデジタル方式の無線機器が推奨される」とする一方、「デジタル方式は 100ms から 500ms 程度(特殊な場合は最大 1000ms)の音声遅延があることから、このような遅延が許されない場合にはアナログ方式の周波数利用の要望があり得ると認識している」として、利用状況に応じてデジタル波とアナログ波が利用されるようだ。

電波管理計画によれば、大会組織委員会は、免許の取得のほか、混信が生じないようにするため、「大会専用の周波数を準備する」としており、大会期間中に臨時の周波数割当が行われる。ただ、利用目的によっては、既存のMCA無線、350MHzの簡易無線、携帯電話回線を使ったIP無線も提供することが推測される。
PMR1
PMR2
○東京オリンピック無線を受信するには?
東京五輪で使用される無線を受信するには、大会組織委員会の周波数管理計画に記載された周波数帯を使用条件で示されるステップと帯域幅でスキャンすることで可能と考えられる。ただし、すでに割り当てられた各種無線が存在する周波数帯のため、これらを避けた細かいバンドスキャン等を設定した方が良さそうだ。